診療案内・検診
子宮がん検診、妊婦健診、不妊治療、月経前症候群、月経困難症など女性特有の疾患の診療を行っております。
また定期的な妊婦健診及び、子宮がん検診(子宮頸がん)を行っております。
※なお、分娩は行っておりませんが、他分娩施設へのご紹介は可能です。
子宮頸がんについて
子宮頸がんの詳細については「がん情報センター」のホームページをごらんください。
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/uterine_cancer.html
子宮頸がん
30歳から40歳代で多く診断されており、しかも最近では20~30歳代で増加傾向にあると言われています。リスクファクターとして妊娠・出産回数が多い、喫煙などがあります。
子宮頸がんの原因として性交時のヒトパピローマウイルス(HPV)の感染があります。HPVに感染したうち、9割以上は一過性のものです。性交経験がある女性の約8割は、一生に一度はHPVに感染するというデータもあります。
子宮頸がんの初期は自覚症状がないため、検診で発見されることも多々あります。がんを初期に発見できれば、ほぼ子宮を温存できますが、進行時は子宮の全摘出や薬物治療、放射線治療が必要となり、妊娠や出産に悪影響を及ぼします。
子宮体がん
50歳から60歳代で多く診断されております。リスク要素として閉経、不規則な月経や排卵異常のほか、妊娠や出産の経験がない、あるいは肥満、高血圧、糖尿病があるとリスクが高くなると考えられています。
子宮がんの予防接種について
予防においては、ワクチンの接種があります。しかし、ワクチンでは防ぐことができない発がん性ウイルスもありますので、定期的な検診が重要です。
ワクチンに関する情報については厚生労働省のページをごらんください。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/
2010年から始まった子宮頸癌ワクチンの公費助成ですが、2013年に接種後に痛みや運動障害が起きたというマスコミ報道により、科学的な因果関係は認められなかったものの、世論を反映して厚生労働省はワクチン接種の積極的勧奨を中止しました。(助成制度は残してあります。)
WHOから名指しで非難される、あるいは国内の各学会から接種再開を求められた影響か定かではありませんが、2020年秋から接種対象者へ公費助成制度のお知らせはなされるようになりました。
小学6年から高校1年までの女性が対象です。上記厚生労働省のホームページなどをごらんになり、ワクチンをお子様に接種させようとお考えの際は下記へお問い合わせください。
鹿児島市健康福祉局保健部感染症対策課
〒892-8677 鹿児島市山下町11-1
電話番号:099-803-7023
ファクス:099-803-7026
子宮がん検診(子宮頸がん)
検査方法
検査方法は、子宮の出口(子宮頚部)を綿棒でこすって細胞を採取し、専門のスクリーナーが確認します。細胞を採取するだけでしたら、1分程しかかかりません。子宮内から出血がある方は、子宮の奥(子宮体部)の検査が必要な場合があります。
妊婦健診
検査方法
定期妊婦健診では、体重測定、尿検査、血圧測定を毎回行います。超音波検査も毎回実施し、胎児の発育などいろいろな情報を観察します。初期、中期、後期などに分けて血液検査も行います。
避妊法について
検査方法
当院では、99%以上の高い避妊効果があるOC(経口避妊薬)の服用をお勧めしています。OCは健康な方であれば服用することができ、主な副作用も服用開始後すぐのものがほとんどで、服用を3ヶ月間継続することで落ち着いてきます。飲み方はとても簡単で、1日1回1錠を毎日ほぼ同じ時間に服用します。飲み忘れを防ぐために、普段の生活に合わせて習慣付けることが大切です。もし、2日以上飲み忘れた場合は、当院までご連絡下さい。
OC服用のメリット
OC服用のメリットとしては、高い避妊効果以外にも、月経周期が正しくなる、月経困難症の改善、月経量の減少、ニキビの改善など様々です。服用を止めることで速やかに自然な月経周期が回復し、妊娠は可能になります。
OCは医師が処方する薬です。まずはご相談下さい。
人工妊娠中絶手術について
当院の院長は母体保護法指定医師として認定されており、できるだけ身体的・精神的に負担がなく、安心して中絶手術を受けていただけるように心掛けております。
不安でいっぱいの方もおられるかと思いますが、まずはご相談ください。
その他の疾患について
妊娠糖尿病
妊娠糖尿病になると、妊娠中毒症や羊水過多症、感染症などを引き起こしやすくなります。さらに、胎児も高血糖の状態となるため、巨大児や奇形児が産まれる可能性があります。巨大児の場合、難産や帝王切開のリスクが高まります。
家族に糖尿病患者がおられる方、前回妊娠時に尿糖が出た方、原因不明の流産や死産の経験がある方、巨大児(4kg以上)の出産経験がある方は注意が必要です。
妊娠糖尿病と診断されたら
食事療法と運動療法を行います。それでも改善が見られない場合は、インスリン療法が必要となる場合があります。
当院では、妊婦健診の初期に血糖測定、中期に糖負荷試験を行い発見に努めています。妊娠糖尿病を発症した妊婦は、出産後に血糖は正常に戻りますが、産後1年以内で糖尿病になる頻度は2.6~38%、産後5~16年では17~63%と報告されています。分娩後の定期的な糖尿病の検査も大切です。